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【アニメの感想】『アルドノア・ゼロ』(一期) 話題のアニメ!その出来は……?

――宣戦を布告する

 

袂を分かった火星と地球の戦争が始まる

 

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(以下敬称略)

 

今回は2014年夏アニメ「ALDNOAH.ZERO」(アルドノア・ゼロ)の感想。

2014年夏アニメも続々と終わりましたので順番に感想を書いていこうかと思います。過度なネタバレはいたしませんのでご了承を。

本作は豪華制作陣ということで放送前からかなりの注目を集めていました。特に、虚淵玄がストーリー原案を務めるオリジナルのロボットアニメと表してなかなかの期待度だったと思います。彼はゲームソフト会社ニトロプラスのシナリオライターであり(2014年現在は取締役でもあります)、「魔法少女まどか☆マギカ」「PSYCHO-PASS」「翠星のガルガンティア」など近年のアニメヒット作の脚本を手がけたことで、その名が一躍世間に知れ渡ることとなった売れっ子脚本家です。今日のアニメ界では超有名人と言えるほどにその知名度は圧倒的に高いでしょう。日曜特撮ドラマ「仮面ライダー鎧武/ガイム」の脚本も手がけており、ますます活躍の場を広げている注目株といったところです。

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そんな虚淵玄が関わるオリジナルアニメですから、世間一般の例に漏れず、実は筆者もかなり期待をしていたわけです。脚本家がアニメの善し悪しの全てを決めるわけではありませんが、やっぱりその名前でバイアスがかかってしまうのは確かです。つまり、本作は初めからかなり高いハードルが用意された状態で放送がスタートしたわけですね。

ちなみに本作は分割2クールでして、現在1クールが終了したところ、2クール目は2015年1月から放送予定みたいです。ここ数年は分割2クール多いですね。1クール目が超人気ならまだしも、絶望的な状態で2クール目に突入するアニメもありますからなかなか製作が大変そうではあります。

では肝心の中身はどうだったのか、簡単な感想を先に述べますと

  • 初期の絶望感がかなり良かった!
  • 逆に言えば後半になるにつれて少しづつ絶望感が薄れていってしまったのは残念
  • ロボットのデザインは無難で良い、全体的にダサくはないがたまにダサいものも
  • 賛否両論ありそうだが脚本・構成はまとまっていて隙がないという印象
  • 主人公視点の局所的な戦争はよく描かれてるが地球と火星の全面戦争の描写が不十分
  • 画はあまり崩れないし表情豊か
  • OPとEDかっこいい!というか音楽がいい!
  • 登場人物は多いが登場させる必要性の感じられない人物もまあまあいる
  • 普通に良作で是非2クール目に期待したい
  • W主人公っぽいけどスレインって本当に主人公…?
  • なんだかんだ言いつつも全体としては良く出来てて面白かった
  • イナホさんまじ有能っす
  • いんこ可愛い

といったところ。それでは細かい感想へ。


 

あらすじ

火星と地球の戦争から15年、火星の皇女アセイラム姫は和平を結ぶ親善大使として地球を訪れていた。しかし、親善パレードはテロリストの襲撃を受け、アセイラム姫は生死不明となる。火星側はこれを宣戦布告とみなし、休戦協定を破棄し、火星の軌道騎士たちが次々と地球へと降下を始めた。

パレードを観に来ていた貝塚伊奈帆、軌道騎士と共に地球へと降り立ったスレイン・トロイヤード、多くの人間を巻き込みながら戦火は広がっていく。地球と火星、全面戦争の先には何が待つのか……

アルドノア・ゼロ オリジナル・サウンドトラック


 

初期の絶望感は最高

火星側は古代火星文明のテクノロジーを保有しており、地球との技術力の差は歴然です。地球人からしたら火星騎士の搭乗する機体の性能は魔法のようなもので、とても真正面から立ち向かえるものではありません。さらに、伊奈帆たち学生の持つ機体は訓練用の練習機。絶望的とも言える戦力の差をどこで埋めるのか。前半の見所はそこに詰まってます。

3話までは本当に文句なしの出来で、ワクワクしっぱなしでした

かつての特撮映画に始まり、今日ではエヴァンゲリオンに代表されるような、圧倒的で未知の力にどう立ち向かうか?という話ですね。特撮やエヴァに限らずこういった作品では敵が未知の生物であることが多く、敵の特性を理解して戦うというのがセオリーですけど、アルドノア・ゼロでは敵は同じ人間なので、驕りや怒りなどの感情にこそ付け入る隙があるわけです。そこがなんだか新鮮でした。ただ、主人公が冷静すぎるというのもあって、その対比で軌道騎士たちがかなりのアホに見える(というか実際に頭は弱いような)のがちょっと残念かなと。

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こんなん勝てるわけねーだろ。っていう相手を翻弄する様はとても気持ちがいい。

水蒸気爆発やロケットパンチに突っ込みたくなるという人もいると思いますが、むしろ筆者は全然気になりませんでした。ある程度はイナホさんが説明してくれますし、火星人はロストテクノロジーを借りてきてるだけなので、そんなにご都合主義的ではないのかなと思います。うん、普通に楽しめました。

ただ、だんだんとその感動は薄れていってしまいますね。個性豊かな軌道騎士たちとの連戦でも、まあ主人公有能だし余裕で勝っちゃうでしょ、なんて思ってしまうから不思議です。慣れって怖い。よく中盤で失速したなんて感想が見られますが、その原因としては、放送前に圧倒的な期待をされていたにもかかわらず、面白かった前半3話でかなりの人が更なる期待をかけてしまったせいではないかなと。後半は膨れ上がった期待を超えるのがだんだんと難しくなっていき、中だるみした印象を与えてしまったという哀しい感じだと思います。過度な期待をせずにフラットな感じで観れば普通に楽しめる質の高いアニメでしょう。

なんにせよ前半だけでも観る価値はあると思います。

 

W主人公?

地球側主人公のイナホさんは超有能地球人です。が、火星側主人公のスレイン君はなんとも可哀想な人。頑張ってるのはわかるんですけど何をやっても裏目に出て、挙げ句の果てに衝撃の行動にでますし、なんだか憐れです。というか最初の境遇からして不幸な少年ですよね。イナホたちとは違う意味でいつも絶望感に見舞われてます。主人公とは一体なんだったのか……?

公式的にはアセイラム姫を含めたトリプル主人公ってことらしいですね。

でもアセイラム姫は主人公感あんまりないなあ。イナホとスレインのW主人公ってことにしたほうが収まりはいい気がするんですけどどうでしょう。なんにせよ各人の活躍は分割2クール目に期待ってところですかね。あんな結末になってなおトリプル主人公を継続できるのかは甚だ疑問ですが、あと半年は気長に待つとしましょう。

ALDNOAH.ZERO もふもふひざ掛け キービジュアル

ちなみに声優は小野賢章(スレイン)、雨宮天(アセイラム姫)、花江夏樹(イナホ)と若手3人組。小野賢章だけは子役から活動されていたので新人とは言えませんが同世代ですね。若いのに皆うまいなあと思います。花江・雨宮ペアは東京喰種でも主人公とヒロインの関係を演じていますし、新人声優もなかなか侮れませんね。

 

戦争描写と登場人物たち

基本的にイナホ視点、スレイン視点で話が進んでいきます。戦争に巻き込まれた少年少女たちがどう行動して生き残っていくのかを中心に据えて、局所的な戦争が描かれますが、惑星規模での戦争の描写はあまりされません。本人たちはもちろんそんな規模の情報は仕入れる術がないので仕方ありませんが、視聴者にはもう少し見せて欲しかったなあと思いました。どうにも全体像がつかみにくいので「これは戦争だ」とか「地球人は滅亡の危機にさらされている」とか言われても実感が薄かったですね。しかも、イナホさんが火星騎士を撃退しまくってるのでなおさらその脅威が伝わりづらかったのが惜しいところでした。1、2話あたりではそこの描写もうまかったなと。

描写不足に関係して、登場人物が多すぎるのではないかと思います。

たぶん群像劇っぽくしたかったんだろうと思うんですけど、ちょっと無駄なやりとりが多かったのでは?と。ただでさえ地球と火星側で描写量が半分になってしまうので、本編に影響の与えない人物描写はざっくり省いて、その分を世界描写や主要人物の心理描写に費やせばもっとすっきりとして筋が通ったと思います。手を広げすぎてて存在意義のわからないシーンが散見されました。2クール目でそこら辺の脇役たちもちゃんと活躍してくれると嬉しいですね。ええマリト大尉、あなたもです

火星と地球の関係を、現実のある特定のいざこざに見立ててるなんて意見もどこかで見られましたけどどうなんでしょう。筆者はよくわかりませんでした。あまり具体的なモチーフは無いように思いましたけど、見る人が見ればわかるのかもしれません。

 

なんだかんだ言ってクオリティは高い

なんだか記事を見返すと批判ばっかりしてるように見えますけど、筆者的には本当に面白かったです

なかなかに硬派なオリジナルアニメで毎週ワクワクしながら見てました。脚本も設定もしっかりしていて、視聴者を驚かせようとする展開も沢山用意されていましたし、すごく良かったです。やっぱりこういう良質な硬派なアニメって、ただ手放しに喜ぶだけでは意味がないって思っちゃうんですよね。というかいろいろと言いたくなっちゃうんですごめんなさい。リアル志向をうたえばうたうほど否定的な意見も多くなってくる、というのは少し悲しいかもしれませんね。この作品の場合はきっとそれだけ期待が大きいということなんでしょう。ただ、真面目なアニメへの批判ばかりが目について、知能指数の低い作品ばかりになってしまうのも考えものなので、筆者も今後気を付けようと思います。

ラジオCD「アルドノア・ラジオ」Vol.1

あれだけのクオリティを維持し続けたアニメってかなり珍しいんじゃないでしょうか。是非2クール目にも期待したいところです。

 

音楽、澤野弘之

OP、ED、BGMどれも素晴らしいです。音楽が質を引き上げていると言っても過言ではありません。「機動戦士ガンダムUC」「進撃の巨人」「キルラキル」と、澤野弘之が加わると良作になるという法則でもあるのか?というくらいいいですね。相変わらずオンボーカルのBGMを多用してますが、不思議と邪魔じゃないんですよね。むしろボーカルがあったほうが盛り上がるっていう。菅野よう子みたいに何でもできるって感じではないんですけど、個性的でいいと思います。サントラいつも買ってます。

個人的にはEDに用いられてる「A/Z」と「aLIEz」のイントロを用いた引きがめちゃめちゃ好きです。あのピコピコ感が堪らない。展開に応じてEDを使い分けてるのもいいですね。世界観にあってます。

いんこ可愛い

ええ、イナホさんの幼馴染の網文韻子さんです。筆者はどうも不遇系サブヒロインを気に入る確率が高いみたいです。「あの夏で待ってる」だったら谷川柑菜のような絶対に報われない子。なんでショートカットが多いんだろう。不思議だ。

最後に

正直面白かったです。あんな結末から2クール目は一体どうなるのか、楽しみで仕方ありません。言い忘れましたが、ロボットのデザインもなかなか悪くなかったなと思います。味方の普通感と敵の異質感のギャップが良かった。画もあまり崩れないし、ハイクオリティを維持してました。良かったです、こういう硬派なアニメも増えるといいなあ。

そういえば暇つぶしでAmazon眺めてたら見つけたんですけど漫画版もあるみたいですね。出来はどうなのかな? 気になるところだけど手が出ない。買うべきかどうか誰か教えてください。

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