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【映画の感想】『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 日本のライトノベル原作、話題のハリウッド映画を3D+4DXで!

公開日: : 最終更新日:2015/01/20 映画 , , ,

死のループに囚われた兵士の物語


4DXによる圧倒的臨場感を体験してきました!

 

オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)

オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)

(以下敬称略)

 

 

今回は映画「オール・ユー・ニード・イズ・キル」(原題:Edge of Tomorrow)の感想、評価です。

公開日は2014年7月4日とだいぶ前なのですが、その1日後に映画館に突撃して以来更新する機会がありませんでしたので、今更ながらレビューを書いていこうかと思います。

実は筆者、シネマサンシャイン平和島にて4DXで観てきました!

知らない方のために軽く説明しますが、4DXとは全国各地の専用映画館でのみ鑑賞できる、「体感型映画」です。3D映画というモノが普及した現在、そのさらに上を行く映画として注目されているのが4DX。

簡単に言えば、3D映像に合わせて、席が揺れます。水がかかります。匂いが出ます。そして風が吹きます。

この臨場感はすごいですよ。「えっ、こんなに揺れるの?」っていうくらいの揺れです。
4DXのデモンストレーションみたいな映像が本編前に流れるんですが、そこで初めて来たであろう女性たちが予想以上の揺れに悲鳴を上げていました。

アクション映画は是非一度4DXで見ることをおすすめします。

ただ、3D酔いしやすい方や、腰の悪い方はやめたほうがいいかもしれません。
座席の背中部分から衝撃が伝わることもありますし、長時間だとやはり疲れます。

 

4DXに関する話はこれくらいにしておきましょう。

ちなみに筆者は桜坂洋による原作小説はもちろん、小畑健作画による漫画版もしっかりを読んでいますが、この記事では映画を中心に書いていきます。

原作小説は2004年に刊行され、筒井康隆に絶賛されたと言われています。同名漫画は映画化をきっかけに2014年に週刊ヤングジャンプで連載されました。

 

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)

 

映画化が決定したときはこれはもう絶対に見に行くしかない!とわくわくしたものです。

しかも主演が超ハリウッドスターのトム・クルーズと演技派若手女優のエミリー・ブラント。日本の小説が原作ですし、なんだか嬉しくなりますよね。

監督はダグ・リーマン。トム・クルーズ曰く「キャラクター造形が特徴的な監督」だそうです。「ボーン・アイデンティティー」シリーズや、「Mr.&Mrs. スミス」などが代表作でしょうか。 (「ジャンパー」のことは忘れてあげましょう)

ボーン・アイデンティティー [DVD] Mr.&Mrs.スミス プレミアム・エディション [DVD] ジャンパー (特別編) [DVD]

あらすじ

これから観に行かれる方のためにも、一応簡単にあらすじを。

舞台は「ギタイ」と呼ばれる機械のような生物(生物のような機械)に侵略されつつある地球。
滅亡の危機に瀕した人類は、世界各国共同で統合防疫軍を作り、多大な犠牲を払いながらもギタイの圧倒的な猛攻に辛うじて耐えていた。

主人公のケイジは歩兵として、前線に送り出されることになる。
実践の経験もなく、装備の知識も危うい。さらには、敵の特徴さえ知らない、戦場ドシロウトのケイジ

そんな新兵が過酷な環境を生き残れるはずもなく、朦朧とする意識の中、一体のギタイを相打ちにしつつもあっけなく死んでしまう。

暗転する視界。

ところが、目を覚ますとそこは出撃前日の拠点

「死のループ」に囚われた兵士の孤独な戦いが始まった……

感想

圧倒的な絶望感

一言で表すと、ハリウッドってやっぱすげぇ!、でした。
映像、脚本、演出とどれもが高い水準で作られています。

特筆すべきは超迫力のアクションシーン。
ギタイの奇襲により戦場は最初から混乱状態。上空から戦闘機は墜落してくるわ、出撃前に軽口を叩いていた仲間たちがいとも簡単にバンバン死んでいくわで、陣形なんてあったもんじゃなく敵味方入り乱れての大混戦。

あっちを向けば仲間が死んでいて、こっちを向けばギタイがウロウロしていると、シーンの切り替えが非常に早く、情報量の多い戦場で冷静なれないシロウト兵士の心情が上手く表されています。
戦場の映像がよくできているのもあって、いつ死んでもおかしくない状況に手に汗握ります。

さらに、人類の英知の結晶であるパワードスーツを着てなお互角以上の戦闘力を持つギタイの絶望感がすごいです。
ギタイの機械的でありつつも爬虫類のような何とも言えない不快な鳴き声や、触手が生えたビジュアル、動きの異常な素早さも相まって、気色悪いことこの上ないんです。

最初の展開だけで、「アレっ、これ絶対勝てなくね?」って誰もが思うはず。

そして時間を繰り返すケイジ。
死ななくて良かった思うか、はたまたあの戦場に行かなければならないと思うか……

視聴者に死のループの恐ろしさを与える演出が光ります。

【チラシ付映画パンフレット】 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』 出演:トム・クルーズ.エミリー・ブラント

ハリウッド的展開の連続

物語はループに入ってからが本番

絶対に死なないケイジは、まるでゲームのように戦場を何度も何度も繰り返すことで、最適な行動を探していきます。
ここで10秒立ち止まってから、5歩前に歩く。2秒後右方向をガンで撃つ、といったようにまるで詰将棋。

そんな中ループについて知っているらしい「戦場の牝犬」こと人類の英雄リタを助けます。
リタと出会いループの仕組みを理解したケイジは繰り返す永遠の時間を使って人類の新たな英雄になるべく特訓を始める。

あんなにダメダメだった兵士が人類最強へと進化していく課程は、非常にクールです。

しかし、いくら戦場を闊歩しても「明日の向こう側」にはたどり着けない。

倒すべき相手がわかってもどこにいるかがわからない。
どこにいるかがわかってもどうやって倒すかがわからない。
どうやって倒すかがわかってもそこに行く方法がわからない。
そこに行く方法がわかっても……。

と、希望と絶望が交互にやって来るハリウッド的展開が炸裂。

絶対に死なない人間と絶対に攻略できない戦場のパワーバランスが絶妙です。

リタの存在とケイジの葛藤

物語が後半に差し掛かるとなんとか戦えるようになり、最後の戦いまで後一歩というところまできます。

しかしここで、ケイジはループが終わってしまえばもう過去には戻れないため、死んでしまった人を生き返らせることはできないと気がつきます。
つまり「明日の向こう側」へたどり着くまでに、ケイジは助ける人助けない人を選択しなければなりません。

ケイジにとっては何日も何日も戦場を共に過ごしてきたリタ。
リタにとってはたった2日間の付き合いでしかないケイジ。

孤独であるが故の葛藤も見所です。

映画 オール・ユー・ニード・イズ・キル ポスター#2 42x30cm トム・クルーズ Edge of Tomorrow  【並行輸入品】

小説と映画の共通点と相違点

はっきり言ってしまうと、共通点は世界設定と主要人物の名前くらいです。

リタはアックスを振りませんし(それ以前にか細い美少女ではない)、メガネの三つ編みドジっ子整備兵は登場しません。
ケイジを鍛えるのはフェレウ軍曹ではなくリタですし、分隊の仲間も全然違います。

小説では日本人初年兵であるキリヤ・ケイジは、映画ではメディア担当報道官としてまあまあ顔は知れているが戦場に立ったことのない臆病なアメリカ人兵士ウィリアム・ケイジとなっています。
流石にトム・クルーズが初年兵というのは無理がありますし、結果的にこの設定変更は成功だと思います。
安全な場所から急遽前線へという落差が大きい分、絶望感とその後の成長が際立ちますし、軍隊の内部事情を知っている分、行動範囲に幅がでますからね。

そして、大事なのがループ能力に関する設定
映画で追加されたとある設定により、物語はより絶望的な状況へと送り込まれます。
この設定追加は素直にうまいなあと感心しました。

人物設定が違うので、もうストーリーは全く別物といっていいでしょう。
小説にしか、漫画にしか、映画にしか触れていない、という方は是非別の媒体にも挑戦してみてください。同じバックグラウンド設定があっても物語はこんなに変わるんだと、日本的嗜好やアメリカ的展開がわかって面白いと思います。

何度も言うようですが脚本がホントよくできてます。

強いて言えば、やっぱりリタのアックス姿を見てみたかったな。

All You Need Is Kill オール ユー ニード イズ キル|アニメイト特典クリアシート ◆リタ・ヴラタスキ|小畑健 週刊ヤングジャンプ 集英社

最後に雑多な感想を

期待する反面、駄作だったら嫌だなと思う気持ちもありましたが、結果として大満足でした。

なにせやっぱりトム・クルーズって50歳過ても未だにかっこいいですし、アクションが様になりますよね。ところどころのブラックユーモア溢れる演技や死に方も面白い。あの年で50kg以上もするパワードスーツを実際に着て、スタントをしてたというんだから驚きです。

オール・ユー・ニード・イズ・キル Edge of Tomorrow|特典ポストカード ◆機動スーツ|桜坂洋 ダグ・リーマン ワーナー・ブラザーズ

ハリウッドらしい気持ちいい終わり方も良かったし、ああいう風にちゃんと作ってくれるなら、どんどん日本の小説を発掘して欲しいですね。

あと、無駄なベッドシーンがないというのも好印象。
ここは好みが分かれるかもしれませんが、アクションに徹してくれた方が筆者は嬉しいです。

機械音声が日本語ってのも良かったですね。日本人からするとどうであれ日本原作を尊重してくれると悪い気はしません。

それに、エンディングで流れる主題歌「Love Me Again」がかっこいいんですよ。
歌っているのはジョン・ニューマン(John Newman)。UK期待の新星で1990年生まれの23歳という若さでUK Singles Chartで1位を獲得。パワフルでハリのあるかすれ声が特徴的です。浮いた雰囲気のしない実力派という渋い印象ですね。

最高のラストシーンからエンディングの流れが完璧でした。

そういえばトム・クルーズの前はブラッド・ピットが主演の予定だったとかなんとか。それはそれで観てみたいです。ブラピの場合はもっとシニカルなコメディよりになったのかなあ、なんていろいろと妄想がはかどります。

なんにせよ高品質のエンタメ、是非観て損はないと思います!

それにしても2014年は当たりが多くて困りますね。

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