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【漫画の感想】『ダンジョン飯』(1~2巻) 美味しそう、面白い、そして興味深い!

ダンジョン内部で自給自足!

古典ファンタジー × 料理 = ???

 

ダンジョン飯 1巻<ダンジョン飯> (ビームコミックス(ハルタ))

ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)

 

かなり久々の投稿ですが、今回は久々繋がりで漫画の紹介です。

完全な私事になりますが、海外小説目的に電子書籍媒体の「kindle」を最近購入しまして、筆者の読書ライフはさらに充実したものになるかと思いきや、いつの間にか購入履歴の半分は漫画で埋まっているという現状に、どうにも動揺を隠せない今日この頃です。

これまで漫画にはあまり触れてこなかった反動がついにやって来たのかと達観を挟みつつも、どうせだから読んだ漫画も少しずつレビューしていくか!と結局は開き直りました。

という訳で、選んだのは『ダンジョン飯』(著:九井諒子)

どうやら漫画業界では話題沸騰中の作品みたいですね。かくいう私も漫画好きの友人に勧められて購入しました。

kindleで2巻まで購入できたので(2015年9月現在)、本記事は1~2巻での内容に基づいて書かれていますのでご注意ください。といってもネタバレになるような事柄もありませんし、特に気にすることもないかなと思います。

では早速感想の方を。

  • 王道古典ファンタジーにリアリティをスパイスとして付け足すとこんなに面白い
  • 料理が本当に美味しそう、そしてモンスター(魔物)の生態が興味深い
  • ローストバジリスクを熱いうちに食べたい!!
  • 美味しそう、面白い、興味深いの三拍子
  • 感情の変化や、各種族の考え方の違いなどの細かい描写が上手い
  • 死に対する意識が低すぎてコミカル
  • 全体的にゆるい雰囲気でパーティーメンバーに愛着が湧いてくる
  • エルフのマルシル可愛い
  • 意外にドワーフのセンシも可愛い
  • 宝虫のおやつはちょっと……気持ち悪いです

 

あらすじ

とある地下ダンジョンの深層でレッドドラゴンの猛攻に壊滅してしまう主人公パーティーの一行。主人公ライオスの妹ファリンは、レッドドラゴンに飲み込まれながら皆を逃がすために最後の魔法を放つ。ファリンを一人残して地上に転移した一行はファリンを救うために再びダンジョンへと潜ることを決意するが、メンバーの脱退、資金不足、空腹、と現実的な問題が山積み。困ったライオスは、魔物を調理しながら地下ダンジョンを潜るという自給自足の生活を提案するのであった。残された猶予は、ファリンがレッドドラゴンの胃袋で消化されるまでの一か月。果たしてパーティーの行方は如何に……。

とまあ一応書きましたが、あらすじは正直どうでもいいです。重要なのは王道モンスターを調理すること!これに尽きます。

 

王道ダンジョンに潜む、馴染み深い古典的モンスターたち

本作の舞台はいわゆる「地下ダンジョン」

ファンタジーの王道中の王道である地下に広がる広大なダンジョンです。国内外問わずこれまで様々なゲームや漫画で扱われてきた「ダンジョン」という基礎概念そのままですので、特にひねることもなく聞いたままの姿を想像してもらえれば、きっと合ってます。

筆者的には「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」というよりも、なんとなく「ウィザードリィ」とかTRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の系譜なのかなと思ったりしてます。

ウィザードリィ パーフェクトパック

ウィザードリィ パーフェクトパック

ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)

ダンジョンズ&ドラゴンズ プレイヤーズ・ハンドブック第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)

 

そんな古典的ダンジョンに潜むモンスターたちも、もちろん王道です

スライム、バジリスク、マンドラゴラ、ゴーレム、ミミック、ドラゴンと、もはや固有名詞を通り越してモンスターの代名詞とも言えるであろう単語のオンパレードです。

そんな王道モンスターたちを美味しく調理しよう!というのが本作のメインコンセプトであり、オリジナリティです。

『ダンジョン飯』の特に面白い点は、妹を助けるために早くダンジョンを潜らなきゃいけないのに、いつの間にか空腹を満たすために美味しそうな魔物を探すのが目的となっているところ。初めは嫌々ながらモンスターを食していたエルフのマルシルも、その美味しさに惹かれて段々と食べられるか食べられないかで、モンスターを見始めるというのもなんとも微笑ましい?です。

全体的にゆるい雰囲気の中、テンポ良くモンスターを調理していきます。

個人的に一番食べたいのはローストバジリスク。もはや見た目はただのローストチキンなんですが、それまでのファンタジー的なノリの後に出されると、一体どんな味がするんだろうと気になって仕方がなくなります。というか絶対美味しいに決まってます。(参考:普通のローストチキン)

水郷のとりやさんの特撰ローストチキン丸蒸し焼き(生の状態でを焼き上げました) 1.4kg

水郷のとりやさんの特撰ローストチキン丸蒸し焼き(生の状態でを焼き上げました) 1.4kg

 

そして、個人的に最も食べたくないのが宝虫のおやつ。宝石やコインに偽装する宝虫と呼ばれる魔物が登場し、それを煎餅や串焼き、ジャムとして調理するんですが、どうにも昆虫が嫌いな筆者的にはNGでした。絵そのものは全然グロくないので食べてみてもいいかなとも思えなくはないんですけど、想像するとやっぱり無理ってなります。こういう料理があるのも面白いところです。

他にも、歩き茸とサソリを水炊きにしたり、マンドラゴラをかき揚げにしたり、ゴーレムを畑にしたり……とやりたい放題です。

ここで画像を出せないのが残念でなりませんが、気になる方は是非購入して確認してみると良いかもしれません。

 

モンスターたちの興味深い生態

でもこの『ダンジョン飯』は料理だけじゃないんです。

調理する魔物の生態や部位などの詳細をしっかりと解説してくれる、というのがこの漫画のさらに良いところ。料理なんかよりも生態が見たくて漫画を読んでいるという人もいらっしゃるんじゃないか、というくらいに論理的に解説されていて、納得を通り越して感心できます。

(スライムってなんなんだろう……)

(このモンスターってどこが口でどこがお尻なんだろう……)

(こいつら何食って生きてるんだろう……)

なんて疑問に思ったこと、普段ゲームをする方なら一度はあるはず。

ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー はぐれメタル

ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー はぐれメタル

リアリティを重視している『ダンジョン飯』では、そんな疑問が浮かぶ前に事細かな解説が入ります。スライムの内部構造も明かされますし、魔物同士の食物連鎖のヒエラルキーや個々の活動周期など、その内容は様々です。

これらの解説によって料理そのものにも説得力が増しますし、味を想像する楽しさに拍車がかかっている気がします。

メンバー間での人間模様と異種族間の交流

さらに注目したいのが、メンバー間のやりとりです。

パーティーメンバーは、人間の剣士ライオス、エルフの魔法使いマルシル、ハーフフットの鍵師チルチャック、ドワーフの斧戦士センシの4人。ゲームだったらこのままラスボスまでクリアできそうなくらいバランスの良いメンバーです。

彼らの会話はとても軽快で喜怒哀楽がコロコロと変化するため、一緒に冒険しているような楽しさにより共感しやすいつくりになってます

エルフのマルシルはお嬢様育ちで魔物なんて食べられるわけないと拒んでいたのに周囲にどんどん流されていき、2巻現在でもはや抵抗はなさそう。自分が足手まといになってるんじゃないかと悩んだり皆を見返すために頑張ってドジを踏んだりと、見ていて飽きないタイプの可愛さがあり、おそらく本作での一番人気のキャラクターでしょう(2巻の表紙も飾ってますし)。

ダンジョン飯 2巻 (ビームコミックス)

ダンジョン飯 2巻 (ビームコミックス)

しかしながら、筆者のおすすめはドワーフのセンシです

「ダンジョンに生かされてダンジョンで生きる」を実践している、魔物の調理に詳しい髭のおっさんです。こだわりが強く頑固な一面がありながら、気にしない事柄に関してはとことんマイペースな学者肌。魔法は安易な方法であり頼りすぎると堕落するという考えを持ち、魔法使いのマルシルとちょっと噛みあわない。

そんなセンシが、とあるエピソードで魔法に対する意識を改めます。

2巻におけるこのエピソードは話の構成がダントツによくできていて、作者の構成力と見せ方の上手さについ唸ってしまいました。この話でセンシへの感情移入が急激に加速し、筆者のお気に入りはマルシルからセンシへと完全に移行しました。

まさかドワーフの髭面おっさんを可愛いと思う日が来るなんて……

温かい話もあり、笑える話もあり。

メンバーの種族が皆違うため、そこらへんの意識の違いを題材にしたコミカルなシーンもあり、キャラクター同士のやりとりも楽しいです。

最後に

次巻が発売され次第、購入したいと思える面白い漫画でした。

王道の魔物もさらいつつ、今後は作者オリジナルの魔物の生態や料理をもっと見てみたいと思いました

『ダンジョン飯』の読後すぐに筆者は、九井諒子さんの短編作品集『竜の学校は山の上』も「kindle」で購入して読んでみました。こちらもファンタジーとリアリティが融合した久井ワールドが炸裂していて、非常に面白かったです。今後機会があれば記事にしてみようかなと考えていたりいなかったり。

竜の学校は山の上

竜の学校は山の上

 

完全に久井ファンになっている筆者。

ダンジョン飯の2巻は「kindle」の漫画ランキングでも圧倒的上位に食い込んでいたのでもしかしたらアニメ化なんてものがあったり、なんて密かに期待しています。

新キャラクター?も追加され、今後の展開が気になります。

美味しそう、面白い、興味深い、の三拍子。

まだ2巻ですので、軽い気持ちで皆さんも一度読んでみてはどうでしょう。

ダンジョン飯
ジャンル ファンタジー、グルメ漫画
作者 九井諒子
出版社 KADOKAWA エンターブレインBC
掲載誌 ハルタ
レーベル ビームコミックス
(引用 Wikipedia)

 

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