*

【映画の感想】 『ゴジラ(1954)』ゴジラシリーズの原点にして頂点!

公開日: : 最終更新日:2014/09/27 映画 , , , ,

人間が産み出した恐怖の象徴!

 

ただの怪獣パニック映画じゃないんです

 

ゴジラ(昭和29年度作品) [60周年記念版] [DVD]

(以下敬称略)

 

 

今回は、1954年(昭和29年)に公開された、初代ゴジラの感想です。

30作を超える数が制作されているゴジラシリーズの原点となった偉大なる作品。

「Godzilla ゴジラ(2014)」に触発されたと言いますか、ちゃんとカッコいい芹沢博士がもう一度観たくなり、早速借りてきたんです。

ええ、やっぱり偉大でした

ただの怪獣映画じゃないんだぞと。

 

古い映画ですし皆さんご存知でしょうと、ネタバレ多めです。

あらすじ

太平洋沖で突如起こった原因不明の貨物船沈没事故。混乱の中、救助に向かった船までもが沈没してしまう。

そして暴風雨の夜、沈没場所近くの島に巨大な何かが上陸

家屋が破壊され死者も出るという異例の事態に、政府は調査団を派遣し島へと向かわせるが、調査団がそこで見たものは山の高さを超える怪獣の姿だった。

島の伝説になぞらえて「ゴジラ」と名付けられた巨大怪獣は、ついに東京へと上陸する……

納得の特撮映像

1950年代にここまでの映像が撮れていることにやっぱり驚きました

もちろんミニチュア+着ぐるみであるのはわかって観てますし、特にリアリティ溢れるCG映画を観まくっている現代人にはちょいちょい違和感はありますが、それでも特撮ってすげえな、という迫力ですね。

当時の人からすると、それはそれはすごい映像だったのでしょう。

海岸からゴジラが現れて人々が逃げ惑うシーンや、国会議事堂を蹴り飛ばすシーンなど、良く出来てるなと思う映像が多々

車(ミニカー)がものすごい勢いで建物に突っ込んだシーンはちょっと笑いました。

当時トップクラスの撮影技術を持っていた東宝映画が大プロジェクトで1億円以上もかけたと言うんですから、まあ納得の映像ですね。映画全盛時代というやつです

そして映画は大ヒット、60年経った今でも続くシリーズとなったわけですが、監督の円谷英二はこんなに売れると思ってなかったと言っていたそう。不思議なもんです。

それが今はCGを使って海外リメイクされてるんですから、なんだか感慨深いですね。

ちなみに1998年のアメリカリメイク版では着ぐるみも使われてるそう。
(左が1998年版、右が2014年版)

GODZILLA [DVD] Godzilla

 

そういえばこの当時の映画会社は、各会社で専属の俳優を抱えていて、俳優を見ればどこが作った映画なのかわかったんですよね。ゴジラ(1954)に出演されている俳優陣も、もちろん東宝映画の専属俳優たちです。

俳優に詳しくなれば、映画を観る楽しみが増えそうですよね。

あ、あの人が今度は主役やってる!とか、こんな役もできるんだ!とか、なかなか面白そうだなと思います。

この制度が続いていたら、本来、俳優でもないシロウトが客寄せパンダのように主役に抜擢され、駄作が量産される現象は少なかったのでしょうか、と思う今日この頃です。

同じ人がいろんな作品に出てくると聞くとなんとなく手塚治虫の漫画を思い出します。いわゆる彼が漫画界に取り入れたと言われる「スター・システム」ってやつ。

ちなみに、手塚治虫も本作を絶賛していたらしいです

火の鳥 1 ブラック・ジャック 1 ブッダ 1 どろろ 1 アドルフに告ぐ 1

一貫したメッセージ

初代ゴジラの特徴は、そのメッセージ性です。

何においても、最初であるということは一つの価値になります。

しかし、ゴジラ(1954)が未だなおシリーズ頂点の座に君臨すると言われている理由は、行き過ぎた科学技術に対する警鐘というメッセージが明確に表現されていることにある、と筆者は思います。

怪獣映画の皮を被ってますが、伝えたいテーマがしっかりしてるんですよね。

作中、ゴジラは太平洋の水爆実験により安住の地を追われた生物として描かれます。突如現れ、人の住む街を恐るべき力で破壊する巨大怪獣は、人の手自身によって招かれたという皮肉。ある意味被害者とも言えるゴジラを、ただ人類の脅威だからと殺しにかかる身勝手な人間。

謂わばゴジラは「身勝手な人間が産みだした恐怖の象徴」です。

ゴジラを未知の怪獣で終わらせず、明確な存在意義をもたせてるあたり上手いなあと思いますね。まあまあよくある映画だと、エイリアンが攻めてきた!よっしゃ、撃退したる!って感じですもんね。

インデペンデンス・デイ [DVD]

登場人物も様々で、著名な生物学者や、芹沢博士(後述)、国会議員、ゴジラにより両親を殺された少年。

それぞれがゴジラに対する考えが異なり、多くの切り口からゴジラという存在を多面的に捉えられるようにできています。もちろん犠牲者がいて、悲しみに暮れる人も沢山いるわけです。

ただ、ゴジラだって好きで街を壊しているわけではないですし、戦車の砲撃に苦しむ姿はなんだか物哀しいです。

人のエゴですね。

どちらかというと筆者はゴジラを応援したくなります

どうしても生き物側に感情移入してしまうというか同情的になってしまうんですよね。なんかゴジラってカッコイイんですけど可愛いっていうか、ぶっちゃけて言うと飼いたいんですよ。猫より犬派なんで、ゴジラは爬虫類系の恐竜ですけどね。あと100分の1くらいのサイズだったら、人間のせいで行き場を失ったゴジラをかくまってあげてました

人間を怖がるゴジラのために食べ物を用意して布団を準備してトイレを教えて。一緒に暮らすうちにふたりの間には友情が芽生える。そして知性のあるゴジラはいつしか簡単な言葉ならカタコトで話せるようになるんです。一層深まるふたりの絆。でもそんなある日近所の住民から警察に通報が入って、ゴジラが捕まえられそうになってしまう。ついに別れの時、ゴジラが海に帰らなきゃいけない日が来てしまうんです。警察の手を逃れながら海岸にたどり着く筆者とゴジラ。海岸には大きなママゴジラが迎えに来ていました。小さくなるゴジラの背中に向けてイヤだ、行かないでと叫ぶと、ゴジラは一度だけ振り返ってこう呟くんです。
「…アリガトウ…」
ママゴジラの大きな鳴き声とともに、海岸には筆者だけが取り残されました。

え?

なかなか考えさせられます

科学者、芹沢

筆者の中では本作主人公の芹沢博士。

右目に眼帯をした孤独な研究者……、なんか、良いです、くすぐられる設定です。

彼が密かに発明した、通称 オキシジェンデストロイヤー(なんという必殺技感!)が水爆の威力にすら耐えたゴジラへの残された最後の攻撃手段となるわけですが、この技術が軍事転用されて核開発競争のような惨劇が再び引き起こされることを危惧して、彼は葛藤します。

そう、科学者の鑑なんです

葛藤する彼の口からは、科学技術の恐ろしさや人間の愚かさが、語られます。

原爆対原爆、水爆対水爆。そのうえ更にこの新しい恐怖の武器を人類の上に加えることは、科学者として、いや一個の人間として許すわけにはいかない。

人間というものは弱いもんだよ。一切の書類を焼いたとしても俺の頭の中には残っている。俺が死なない限り、どんなことで再び使用する立場に追い込まれないと誰が断言できる。

作品の訴えたいテーマがわかりやすくて良いです。これほど真正面から訴えかけられると、やはり考えさせられるというか心に響きますよね。

そして、芹沢博士はある決意をします

人々を苦しめるゴジラを倒しつつ、オキシジェンデストロイヤーを世から抹消する唯一の方法を。

芹沢博士、2014年版とは一味違います。

 

でもこれ、あの映画のブルース・ウィリスみたい……。

アルマゲドン [DVD]

ゴジラのテーマ作曲家、伊福部昭のインタビュー映像

近くの店舗では見つからなかったのでTSUTAYA DISCASの宅配サービス使ってDVD借りたんですけど、DVDに特典映像が入ってて、それが有名なゴジラのテーマの作曲家、伊福部昭のインタビュー映像だったんです。

ゴジラのテーマはアレです。デデデン、デデデン、デデデデデデデデデン~♪ってやつです。筆者は小学生の頃、ゴジラ、ゴジラ、ゴジラとメカゴジラ~♪、と替え歌をよく口ずさんでました。

1時間程度のインタビューで、初めはこれ長いなあと正直思ったんですけど、観てみるとなかなか面白かったです

まず、夏目漱石やら黒澤明やらがばんばん出てくるという歴史を感じるインタビューなんですよ。もう我々にとっては過去の偉人になりつつある人物が、さらっと話の中に出てくることに驚きます。

漱石大全 黒澤明―生誕100年総特集 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)

そして、監督の円谷英二や本田猪四郎、時代劇スター月形龍之介などなど、どうしても偶像として見てしまう往年の著名人の人間らしい一面が垣間見えるという貴重な映像ですね。

円谷英二の言葉―ゴジラとウルトラマンを作った男の173の金言 (文春文庫) ゴジラのトランク ~夫・本多猪四郎の愛情、黒澤明の友情 日本映画スチール集 剣聖月形龍之介

当時の東宝映画の雰囲気や映画作成方法、映画音楽へのこだわりに関する話も本当に興味深いです。

筆者が特に気に入ったのは、月形龍之介と酒を交わしたというエピソードで出てきた、「お酒の席の悪口とは三大の珍味に勝る」なんていう日本の表現はヨーロッパでは「鴨の味がする」と表現する、という話。

はい、見事にどうでもいい話ですね。どうぞご自分の目で見てみてください。とても面白いですよ。

それはそうと、もう亡くなられてしまったんですね。ご冥福をお祈りいたします。

インタビューの中で、長い間シリーズを続けているとだんだんと亡くなられる仲間が出てきて非常にさみしい、とおっしゃっていたのが思い出されます。

哀しいものです。

伊福部昭 生誕百年記念アルバム (Akira Ifukube 100th anniversary Album / Teiko Maehashi, Kazuo Yamada, Norihiko Watanabe, Sumito Tachikawa)

雑記

このタイミングで観てよかったです。

ゴジラ2014年を観たばっかりなんで、時代の変化を感じられました。

何度観てもやっぱり素晴らしい作品です。

2014を観て1954を観てみたいって人が増えると嬉しいですね。その逆もまた然りです。

「GODZILLA ゴジラ (2014)」の記事もありますのでよければどうぞ。

ad

関連記事

【映画の感想】『ピンポン』 若かりし窪塚洋介のアイキャンフライ!爽やかな気持ちになれる卓球青春映画

  卓球に捧げる青春! 高校生たちの「才能」と「努力」の物語  

記事を読む

【映画の感想】 『ディパーテッド』 豪華俳優陣による良リメイク?それとも……

2転3転する展開に息もつかせぬ駆け引き   長い戦いの果てに得るものは、、、 &nb

記事を読む

【本(映画)の感想】『スカイ・クロラ』シリーズ 森博嗣による謎多き小説、読後にきっと、もう一度読みたくなる!

  ただ、飛び続けたい。      

記事を読む

【映画の感想】『インセプション』何度でも観たくなる面白さ。難解?そんなの気にしない!

――アイデアを植え付けろ。   夢に潜る、驚異の映像美   イン

記事を読む

【映画の感想】『GODZILLA ゴジラ』 2014年アメリカ版ゴジラ最新作!

日本が誇る名作映画シリーズのハリウッドリメイク版!   その出来は如何に!? &nb

記事を読む

【映画の感想】 『ダークナイト』 宿敵”ジョーカー”の登場により闘いは加速する

バットマン ビギンズを超える面白さ   娯楽的でもあり哲学的でもある至高の映画 &n

記事を読む

【映画の感想】『トランスフォーマー/ロストエイジ』 最先端のCG技術が炸裂!

新キャストで送る最高峰の映像娯楽!   ※頭を空っぽにしてご覧下さい  

記事を読む

【映画の感想】『バグダッド・カフェ』 映画史に残る1987年の名作映画、出会いできっと人生は変わる

  砂漠に佇むさびれたカフェ うまくいかない人生に、優しい出会いを  

記事を読む

【映画の感想】 『バットマン ビギンズ』 文句なしの面白さ!

新生バットマンシリーズ第一作   如何にしてバットマンは誕生したのか  

記事を読む

【映画の感想】『タイタニック』 これぞエンターテイメント!全てが最高峰の超傑作映画!

  旅の青年と貴族の娘が織り成す、沈みゆく船での4日間の物語  

記事を読む

ad

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

*

ad

【漫画の感想】『ダンジョン飯』(1~2巻) 美味しそう、面白い、そして興味深い!

ダンジョン内部で自給自足! 古典ファンタジー × 料理 = ???

【音楽の感想】Michael Buble – 『Crazy Love』 (2009) 4thアルバム

 高い歌唱力による、大人の音楽   Crazy Lo

【映画の感想】『インセプション』何度でも観たくなる面白さ。難解?そんなの気にしない!

――アイデアを植え付けろ。   夢に潜る、驚異の映像美

【映画の感想】今更ながら『ブレードランナー ファイナル・カット』を観てみた

 SFの古典とも言える名作映画   機械と人間の境界はど

【映画の感想】『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』茜さん×近接格闘×煙草。

人気TVアニメシリーズ、待望の劇場版!   秩序と安全の

→もっと見る


PAGE TOP ↑